滞納賃料・家賃等を回収するための法的手続とは?

滞納賃料を回収するためには,法的な手続をとらなければならないという場合もあり得ます。ここでは,滞納賃料・家賃・地代などを回収するための法的手段について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

滞納賃料の回収手段

家賃・地代などの賃料が滞納されることは,賃貸人・貸主にとっては,非常に切実な問題となる場合があります。したがって,賃料をいかに確実に回収するのかということは,賃貸人にとって重要な問題です。

賃料の滞納が生じた場合,賃貸人としては,できる限り早く,その問題に着手し,解決策を模索しなければなりません。

場合によっては,不動産の賃貸借契約の解除(解約)と,それに伴う不動産の明渡しまで視野に入れて対策を講じなければならないこともあります。

賃料の滞納の問題は法的な問題です。そこで,この滞納賃料を回収するためには,裁判外または裁判による法的手段を検討していくことが必要となってくるでしょう。

>> 賃借人の賃料支払義務とは?

裁判外での滞納賃料等回収の手続

家賃・地代などの賃料が滞納されるようになった場合,賃貸人の方にとっては,あまり問題を拡大させたくないというのが本音ではないでしょうか。

そのためには,できる限り紛争を拡大させないように,裁判にせず,裁判外の交渉等によって解決するということが大事になってくるでしょう。

裁判外での交渉

裁判外での滞納賃料回収の手続としては,やはり当事者間での話し合い・交渉による解決が望ましいことはいうまでもありません。

賃貸人にとっても,賃借人にとっても,話し合いによる解決は,穏便で早期の解決が可能であり,その後の契約関係の信頼関係継続のためにも望ましい解決の仕方です。

ただし,話し合いがついた場合には,念のため,滞納賃料の支払いについて合意書など書面を取り交わしておくべきでしょう。

ADR等の利用

当事者間での話し合いが上手くいかないという場合には,裁判外紛争解決機関(ADR)を利用するということも考えられるでしょう。

ADRにおいては,第三者であるADRの委員等が,当事者間の間に入って,話し合いを取りまとめてくれます。これを利用するというのも1つの方法です。

不動産トラブルに関するADRとしては,各地の弁護士会による紛争解決センター不動産適性取引推進機構の特定紛争処理事業や,各都道府県による紛争調整手続などがあります。

裁判による滞納賃料等回収の手続

裁判外での当事者による話し合い・交渉やADRによっても解決に至らない場合は,裁判手続を検討しなければなりません。

裁判手続には,調停・訴訟がありますが,滞納賃料回収のための裁判手続としては,訴訟を選択するのが通常でしょう(もちろん,あくまで話し合いによる解決を望むということであれば,調停を選択するという選択肢もないわけではありません。)。

通常訴訟

滞納された家賃・地代などの賃料を回収するための裁判手続としては,通常の訴訟を選択するのが一般的かと思われます。

通常訴訟は,簡易裁判所または地方裁判所に提起することになります。請求する滞納賃料額が140万円以下であれば簡易裁判所に、140万円を超える場合には地方裁判所に訴えを提起することになります。

訴えを提起する簡易裁判所または地方裁判所は,問題となっている不動産が所在する地域を管轄する簡易裁判所または地方裁判所です。たとえば,東京都立川市に所在する不動産の滞納賃料支払いの訴えであれば,その滞納額に応じて,立川簡易裁判所または東京地方裁判所立川支部に訴えを提起することになります。

訴訟においては,各当事者が主張と立証を行い,それに基づいて判決という終局的判断を下すことになります。ただし,訴訟においても,話し合いが行われて,和解がなされることもあります。

少額訴訟

訴訟手続は,前記のとおり,通常訴訟が行われるのが通常ですが,訴額が少額である場合には「少額訴訟」という特別な訴訟手続が行われることもあります。

少額訴訟は,滞納賃料額が60万円以下の場合にのみ提起できる特殊な訴訟手続で,基本的にわずか1日で訴訟手続が終結するという,通常訴訟よりもはるかに簡易・迅速な訴訟手続です。

ただし,簡易迅速な訴訟といっても,あくまで訴訟手続ですから,しっかりとした主張と立証をしなければならないことは言うまでもありません。

1日で終わるという迅速性ばかりを考えていると,不測の結果を招くおそれがありますので,注意が必要でしょう。

強制執行手続

首尾よく前記の訴訟によって勝訴判決を得たとしても,それだけでは絵に描いた餅です。

その判決に従って,賃借人が任意に支払いをしてくれればよいのですが,そうでない場合には,強制的に滞納賃料の回収手続をとらなければなりません。

具体的にいえば,判決に基づいて,強制執行の手続をとらなければならないということです。強制執行手続は,訴訟とは別個の裁判手続ですので,訴訟とは別に新たに裁判手続を申し立てる必要があります。

この強制執行手続において重要なことは,差し押さえるべき財産をあらかじめ把握しておかなければならないということです。差し押さえるべき財産が不明というのでは,強制執行をすることができないからです。

したがって,賃貸借契約締結の時点であらかじめ差し押さえるべき財産をある程度把握しておく必要があるでしょう。たとえば,契約締結時にあらかじめ給料振込み口座などを聞いておくというような対処をしておくことが重要となってくるでしょう。

>> 滞納賃料回収の流れ

(著者:弁護士 志賀 貴

サブコンテンツ

このページの先頭へ