賃借人(借主)の賃料支払義務とは?

賃借人(借主)は,賃貸借契約において賃料支払義務を負っています。ここでは,この賃借人の賃料支払義務について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

賃料とは

賃料とは,賃貸借契約における賃貸借の目的物を使用収益させてもらうことの対価として支払われる金銭のことをいいます。

建物賃貸借であれば「家賃」,土地賃貸借であれば「地代」などと呼ばれます。賃借料などと呼ばれることもあるでしょう。

賃料を設定することは,賃貸借契約の要件です。賃料が決められていない賃貸借契約というものは成立しえません(賃料が決められていない物の貸し借りは,使用貸借という賃貸借とは別の契約類型になります。)。

また,賃貸借契約においては,賃料の金額や支払時期も重要な要素となりますので,これらを明確に定めておく必要があります。実務的には,現金払いなのか銀行振込なのかなど支払い方法も定めておくのが一般的でしょう。

>> 賃貸借契約とは?

賃借人の賃料支払義務

賃貸借契約が成立すると,賃借人は,目的物の使用収益権などの権利だけでなく,各種の法的義務を負うことになります。その最も重要で基本的な義務が,賃料支払義務です。

前記のとおり,賃料については,その金額も明確に定めておく必要があります。賃借人は,賃貸借契約において定められた賃料を支払っていかなければなりません。

もっとも,賃料の金額が不適切であるという場合には,賃料の増減額を請求することが可能です。

賃料が安すぎるというのであれば,賃貸人は賃借人に対して賃料の増額を求めることができ,賃料が高すぎるというのであれば,賃借人は賃貸人に対して賃料の減額を求めることができるということです。

賃料支払いについては,民法上,建物については月払い,土地については年払いと規定されていますが,契約で異なる期間とすることも可能です。

日払い・週払い・月払い・年払いのいずれでも,契約で取り決めることができます。一般的には,月極めの月払いが多いでしょう。

支払いの具体的な時期も,明確に定めておく必要があります。月払いであれば,いつ支払いをするのかという期限です。

支払いの時期については,民法上は後払いが原則とされていますが,これも賃貸借契約において別の定めをすることができます。むしろ,実際には,前払いとするのが多いかと思います。

>> 賃借人(借主)の負う法的義務

賃料支払義務に違反した場合

賃借人が賃料支払義務に違反するということは,要するに,決められた期限までに決められた賃料を支払わないということです。

賃借人が賃料を約束どおりに支払わなかった場合,賃料支払義務という法的義務に違反したということですから,その賃借人は,賃料債務の履行遅滞をしたということで,賃貸人から債務不履行責任を問われることになります。

賃料支払義務違反による債務不履行責任の追求というと難しく聞こえますが,要するに,賃貸人が,賃借人に対して,滞納賃料を支払ってもらうように請求できるということです。

この場合,賃料そのものだけでなく,賃料支払日の翌日以降の遅延損害金も支払わなければなりません。

また,賃料滞納があった場合,賃料支払いについて連帯保証人等がいるのであれば,賃貸人はその連帯保証人に対しても,滞納賃料の支払いを請求できます。

さらに,賃料滞納は上記のとおり債務不履行に当たりますから,賃貸人は,滞納賃料の支払いにとどまらず,債務不履行に基づいて賃貸借契約を解除(解約)し,その賃貸不動産の明渡しを求めることも可能です。

ただし,この賃貸借契約の解除は,1度の滞納だけではできません。

賃貸借契約のような当事者間の信頼関係に基づく継続的な契約については,信頼関係破壊の理論が適用されるため,信頼関係が破壊されたというえるほどの賃料滞納(一般的には3か月分以上の滞納)がある場合でなければ,賃貸借契約を解除することはできないと考えられているからです。

(著者:弁護士 志賀 貴

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